自給自足とHSPの生存戦略

HSPが田舎で見つけた居場所 ― 農業から心理学への道

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都会の喧騒に疲れたHSPが、自然の中で農業に出会い、自分らしい生き方を見つけ、心理学を学ぶまでの軌跡

都会の喧騒や人間関係に疲れ、心が常に張りつめていた私。刺激に敏感なHSPとして、毎日を過ごすことは簡単ではありませんでした。

そんな私がたどり着いたのは、自然に囲まれた田舎暮らし。最初はただ「静かに過ごしたい」という思いだけでしたが、そこで農業という新しい世界と出会い、自分に合った生き方を見つけることになりました。

農業で心の安定と継続する力を手に入れた私は、さらに自分自身や他人の心を理解したいという思いから、心理学の学びへと歩みを進めました。


この記事では、HSPとして都会で疲れ果てた私が、田舎暮らし・農業・心理学を通じて自己成長を遂げるまでの軌跡をお伝えします。




第1部:都会から田舎へ ― 刺激の少ない生活を求めて

都会の喧騒から離れ、静かな暮らしを求めて

30代の頃、私は都会の賑やかさや複雑な人間関係に疲れていました。刺激の少ない環境で静かに過ごしたい―ただそれだけの思いで田舎暮らしを始めました。


当時はHSPのことも知らず、自然に囲まれた生活が自分に合うかもしれないという直感だけでした。農業を始める発想は全くありませんでした。


予想外の問題、土地の無料提供計画

引越して1年も経たないうちに、市が区画整理した土地を新たな居住者を呼び込むために無料提供するという計画を進めました。

購入済みの住民にとっては地価下落という大きな損害になる可能性があり、私は強い違和感と怒りを覚えました。


第2部:自治会と代表者としての重圧

避けたかった大勢の前での発言、HSPには大きな負担

市職員との集まりで、住民から「話し合いの代表者になってほしい」と頼まれました。

大勢の前で自分の主張をするだけでも強いストレスを感じるHSPの私にとって、このお願いは大きな負担でした。一度はお断りしました。

再度の決意と交渉の結果

市長が計画を強引に進める様子を目にし、再度頼まれたときには代表者となる決意をしました。市長には次のように強く伝えました。

  • 無料提供するなら、当初購入した住民に返金などの保証が必要
  • それができないなら公示地価で販売すべき
  • 強引に進めるなら、住民間のトラブルは市長の責任

結果、市は公示価格で販売し、若者夫婦が入居する場合には補助金を出す形で話がまとまりました。

交渉の中で、区画の1つを交流広場として使う権利を得ることができました。

現在は子どもたちの遊び場BBQなど、住民同士の親睦の場として活用されています。


第3部:HSPとしての気づきと農業との出会い

人間関係のストレスを通じて、思わぬチャンスが訪れる

自治会を結成し、私は代表者(会長)に選任されました。人間関係から逃れるために田舎に来たはずが、以前よりも人間関係が増えることになりました。

始めたばかりの自治会運営は全てが初めてで、強いストレスがかかりました。
HSPの私には重荷で、「引越しは間違いだったかも」と感じることも多々ありました。

しかし、良い出来事も起きました。自治会活動を通じて村の人々と信頼関係を築き、150a(15,000㎡)の農地を借りることができたのです。田舎では農地は基本的に先祖代々の土地であり、外部の人間には貸さないことがほとんどです。

市との問題がきっかけで会長となり、村の人々と関わる中で農業のチャンスが生まれました。その後5年間農業を続け、さらに信頼を得たことで、管理のしやすい一等地の農地を購入するに至りました。


第4部:農業との出会いがもたらした安心と自信

自然のリズムの中で、HSPの特性が力に変わる

農業は、HSPの私にとって驚くほど相性が良い仕事でした。都会の喧騒や人間関係のストレスとは無縁で、自然のリズムに沿って作業する毎日は、心身ともに落ち着きをもたらしてくれました。

仕事が続かず、職を転々としてきた私ですが、農業を通じて「継続する力」「自信」を手に入れることができました。


毎日の土や植物との関わりの中で、自分のペースで着実に成果を積み重ねる経験は、HSPとしての繊細さを活かす生き方でもありました。


第5部:生きがいと心理学への道

農業で得た力が、次の学びへの自信に

私は以前から「生きがいとは何か」をよく考えていました。仕事か趣味か、どちらであっても、自分にとって生きがいを見つけることが、苦しみを減らし幸福に生きるための鍵ではないかと考えたのです。

農業を10年以上続ける中で、この考えはさらに強まりました。自然との関わりを通じて、自分の特性や価値観を深く理解できた経験から、「心理学を学べば、この問題を体系的に理解し、他の人の助けにもなるのではないか」と思うようになりました。

こうして私は大学の心理学科に入学し、4年間学び切ることにしました。学びの成果として、認定心理士の資格も取得することができました。農業で培った「継続力」「自分を観察する力」が、HSPとしての学びにも大いに役立ったのです。

読者へのメッセージ

HSPでも、自分の特性に合った環境や活動を見つけることで、継続力や自信を育むことができます


困難やストレスの中に、思いがけない出会いや学びがあり、それを通じて新しい道を切り開くことも可能です。




心の整理に役立つデジタル認知行動療法アプリ

情報に振り回されやすいHSPの方や、日常のネガティブなニュースで心が疲れてしまう方に向けて、デジタル認知行動療法(CBT)アプリが注目されています。
気分や思考の記録をつけることで、客観的に振り返り、心を落ち着かせるサポートになります。

スマホで手軽に始められるので、情報疲れの対策の一つとして試してみるのも良いでしょう。



※セルフケアのサポートアプリとしての紹介です。効果には個人差があります。

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ABOUT ME
HSP研究者NOBU
HSP研究者NOBU
繊細な私のHSP研究者
こんにちは。「繊細すぎる私のHSP研究室 〜農業と投資の日常から学ぶHSPの生き方〜」の作者、「NOBU」です。 私は日々、農業と投資という一見対照的な2つの分野を通じて、自分自身のHSPとしての特性を心理学的な視点から観察・分析しています。 **四年制大学心理学科を卒業し、認定心理士の資格も取得しました。**この専門知識が、繊細な心を読み解く土台となっています。 自然と向き合う農業では、五感を研ぎ澄ませ、季節や命の循環に敏感であることの大切さを実感します。一方、投資の世界では、情報に流されやすい繊細な心をどう整え、冷静に判断するかが課題となります。 このブログでは、私自身の経験と心理学の知見から得た失敗談・気づき・解決策を共有し、同じように繊細さに悩む方々が少しでも楽に、そして自分らしく生きられるようなヒントをお届けしていきます。敏感であることを強みに変え、共に「繊細な生き方」を探求していきましょう。
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