HSPライフ研究室

【聴覚過敏のHSPが歯科手術で体験した40分の恐怖】医療の「音」に耐えられなかった私の本音

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【聴覚過敏】口腔外科で体験した40分の「音と振動の地獄」

誰にでも訪れる可能性がある歯科治療。しかし、HSP、特に聴覚過敏を持つ私にとって、先日受けた口腔外科手術は、肉体的な痛み以上に精神を削られる体験となりました。

膿が原因で骨が溶け、歯茎を切開し骨を削って再生を促すという手術。 その40分間で、私が間近で感じた「音」「振動」、そして手術後に襲われた複雑な感情を正直に綴ります。

この記事を通じて、HSPの医療ストレスのリアルを共有し、同じような苦しみを避けるための教訓をお伝えします。


手術前の不安:HSPの「考えすぎ」が止まらない

手術が必要だと告げられてから当日まで、私の頭の中は不安でいっぱいでした。

特に不安が増幅したのは、腕や足の手術とは違い、「口の中」という聴覚、視覚、嗅覚といった五感が敏感に反応する顔面付近の治療だったからです。

  • 未知への過剰な不安:
    手術器具の接近、歯茎をめくるための麻酔の注射(10箇所)の痛み、そして「これから40分も意識がある状態で手術に耐えるのか?」という深く考える思考のループが止まりません。

  • 過去への憤り:
    「なぜ、もっと早く気づいてくれなかったのか」。定期的に歯石取りに通いながらも、レントゲン等の精密検査は数年前の初診で一度行ったきりでした。その歯科の発見の遅れを思い、とても恨めしい気持ちが湧き上がってきました。このネガティブな感情が手術への恐怖と重なり、精神的な消耗を加速させていきました。


40分間の拷問:医療の「音と振動」に耐えられない

麻酔が効き、いよいよ手術がスタート。先生はとても信頼できる方で、的確で丁寧なインフォームド・コンセント(説明と同意)をしてくださり、不安は軽減されましたが、**「環境」と「感覚」**が私を襲いました。

聴覚過敏が恐怖を倍増させた瞬間

口腔外科での最も辛かったのは、**骨を削る「音」と「振動」**です。

  • 頭蓋骨に響く振動:
    腕や足の手術とは違い、口の中で行われる骨を削る振動は、ダイレクトに頭蓋骨全体に響き渡ります。ただでさえ音に敏感なHSPにとって、この「間近で感じる医療機器の不快な音」は、恐怖を何倍にもしました。
  • 無音のプレッシャー:
    施設内の雰囲気が少し気になりました。緊張を和らげるような微かなBGMもなく、目を開ければ真っ白な壁。これから恐ろしい手術が始まるという予感だけが残り、不安が増幅するのを止められませんでした。

身体的な極限状態

40分間という長時間、ずっと口を開けたままでいなければなりません。

  • 顎の痛み:
    手術終盤には、顎が外れそうなくらいの激しい痛みが加わってきました。
  • 精神的疲労:
    最終的に手術が終わった時には、体ではなく、ただ恐怖に耐え続けたことによる精神的な疲労でクタクタでした。「こんな思いは二度としたくない」と強く思いました。


術後の落ち込み:変わり果てた自分の顔と向き合う羞恥心

手術は無事終わったものの、2〜3日は鎮痛剤を飲んでいても痛みが続き顔の右側半分が腫れ上がりました。

この「腫れた顔」を見た時、著しく気分が落ち込みました。自分でも理由がよく分かりませんでしたが、のちに深く分析してみると、それは以下の感情から来ていました。

  • 好きだった自分への落胆:
    元の自分の顔とは変わり果てた見た目になったことへの、純粋な落胆。
  • 人目に晒すことへの羞恥心:
    この見た目で外に出て、人目に晒すことへの強い羞恥心。HSPは他者の視線や評価に敏感であるため、この外見の変化が自己評価を大きく下げてしまいました。

この一連の出来事を通じて、HSPにとって**「心身へのストレス」と「視覚的なショック」**が、いかに密接に関わり、深く落ち込みを引き起こすかを痛感しました。


HSPが心身を守るための「病院選びの危機管理」

この辛い体験を二度と繰り返さないために、私は一つ大きな教訓を得ました。それは、HSPの心身を守るための「病院選び」は、危機管理であるということです。

教訓1:治療の正確性が、精神の安定に繋がる

今後は、CT等の機器が揃っていて、定期的な精密検査を行なっている歯科に行こうと決めました。

  • 今まで通っていた歯科は、歯石取りは定期的でしたが、検査は初診以来でした。ルーティンケアだけでは、根本的な病変の発見は遅れます。
  • 精密機器による定期的な検査は、早期発見・早期治療を可能にし、私のような大きな手術を避けるための**最も確実な「安心感」**を与えてくれます。HSPの不安を払拭するためにも、医療への信頼と正確性は不可欠です。

教訓2:治療環境の「雰囲気」も選択基準に

先生への信頼があっても、環境はストレス源になり得ます。

  • 待合室や診察室の色、音、香りなど、五感への刺激が少ないか。
  • 緊張を和らげるようなBGMや視覚的な工夫があるか。

HSPは、インフォームド・コンセントだけでなく、**「自分の心が安心して過ごせる環境」**にも意識を向けて、医療機関を慎重に選択することが重要だと痛感しました。


繊細な私たちが、安心して医療を受けるために

今回の手術は、私にとって大きな試練でしたが、HSPとして自分を深く知る機会にもなりました。

この体験が、同じように医療へのストレスを抱えている敏感なあなたにとって、「あなたは一人ではない」という共感と、「自分の心身を守るための具体的な行動」を起こすきっかけになれば幸いです。

私もこの教訓を活かし、今後はより慎重に歯科を選択し、自分の心と体を守っていきます。

心の整理に役立つデジタル認知行動療法アプリ

情報に振り回されやすいHSPの方や、日常のネガティブなニュースで心が疲れてしまう方に向けて、デジタル認知行動療法(CBT)アプリが注目されています。
気分や思考の記録をつけることで、客観的に振り返り、心を落ち着かせるサポートになります。

スマホで手軽に始められるので、情報疲れの対策の一つとして試してみるのも良いでしょう。



※セルフケアのサポートアプリとしての紹介です。効果には個人差があります。

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HSP研究者NOBU
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繊細な私のHSP研究者
こんにちは。「繊細すぎる私のHSP研究室 〜農業と投資の日常から学ぶHSPの生き方〜」の作者、「NOBU」です。 私は日々、農業と投資という一見対照的な2つの分野を通じて、自分自身のHSPとしての特性を心理学的な視点から観察・分析しています。 **四年制大学心理学科を卒業し、認定心理士の資格も取得しました。**この専門知識が、繊細な心を読み解く土台となっています。 自然と向き合う農業では、五感を研ぎ澄ませ、季節や命の循環に敏感であることの大切さを実感します。一方、投資の世界では、情報に流されやすい繊細な心をどう整え、冷静に判断するかが課題となります。 このブログでは、私自身の経験と心理学の知見から得た失敗談・気づき・解決策を共有し、同じように繊細さに悩む方々が少しでも楽に、そして自分らしく生きられるようなヒントをお届けしていきます。敏感であることを強みに変え、共に「繊細な生き方」を探求していきましょう。
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