ネガティブ情報の洪水に疲れたHSPがたどり着いた、情報との付き合い方
最近、ニュースを観るたびに胸の奥がざわつくことがあります。
どのチャンネルを回しても、事件・事故・不祥事・政治の混乱といった暗い話題ばかり。
私はHSP(Highly Sensitive Person)として、言葉や映像から受ける刺激に敏感なため、そうしたニュースを見ると気分が沈みやすいのです。
ニュースを見るのがつらいと感じるのは、決して「弱い」からではありません。
むしろ、それは「感受性が高い」ということ。
人の痛みや社会の不安を強く感じ取ってしまう繊細さがあるからこそ、HSPの人はニュースに心を揺さぶられやすいのです。
なぜ日本のニュースはネガティブな内容が多いのか
「どうしてニュースはこんなに暗い話題ばかりなのだろう?」
そう感じたことはありませんか?
その背景には、メディアの構造的な理由があります。
視聴率を取るためには、人々の関心を引く内容を扱う必要があります。
そして人間の脳は「ネガティブな情報」に強く反応する性質を持っています。
心理学ではこれを「ネガティビティ・バイアス」と呼びます。
人は危険や不安に関わる情報を優先的に処理するようにできており、それが生存に役立ってきたからです。
しかし現代では、危険な動物に襲われることよりも、テレビやSNSで流れるニュースが私たちの心にストレスを与えています。
つまり、ネガティブなニュースが多いのは、人々の関心を引くための“ビジネス上の必然”でもあるのです。
けれどその結果、社会全体が「日常は悪いことだらけ」という錯覚に陥っているのではないかと感じます。
感情で動く人間、そして情報の選び方
人は理屈よりも感情で動く生き物です。
どれほど合理的に考えようとしても、感情が先に動いてしまうのが人間の本質。
だからこそ、感情を左右する「情報の質」はとても重要だと思います。
私は、テレビやYouTubeのように一方的に情報を垂れ流すタイプのニュースはほとんど見ません。
どんなに興味深い内容でも、編集された映像や強調された言葉の裏には、視聴者の感情を操作する意図が隠れていることが多いからです。
その代わりに、自分で選択できる情報――たとえば、信頼できる記事や一次情報、専門家の発信などを中心に見ています。
「受け取る側」ではなく、「選ぶ側」に立つ。
それが、感情に流されず、自分の軸を保つための大切な習慣になっています。
ネガティブ情報の洪水がもたらす影響
私たちは毎日、知らず知らずのうちに大量の情報を浴びています。
特にHSPはその情報を深く処理し、感情的に共鳴しやすい傾向があります。
ニュースで悲惨な事件を見れば、自分のことのように胸が痛む。
誰かの不祥事を聞けば、人間不信のような気持ちになることもあります。
問題は、それが「現実のすべて」だと思い込んでしまうこと。
実際には、日々の生活の中には温かい出来事や助け合いもたくさんあります。
でも、ニュースではそうした「平和で穏やかなこと」はほとんど報じられません。
なぜなら、それでは数字(視聴率)にならないからです。
その結果、私たちは「世の中は悪い方向に進んでいる」「日本はもうダメだ」と感じるようになります。
それが長期的に見て、社会全体の“気分”を暗くしているのではないでしょうか。
「景気」は人の気分で動く
心理学的にも、経済学的にも、人々の「感情」は社会全体に影響を及ぼします。
たとえば、景気。
多くの人が「経済は悪化している」と感じれば、消費を控え、結果的に本当に景気が冷え込みます。
逆に、「今はチャンス」「前向きな流れがある」と感じれば、人々は行動的になり、経済も回復しやすくなります。
つまり、ニュースが毎日「景気悪化」「円安不安」「増税不可避」と報じ続けることは、人々の心理を冷え込ませ、結果としてその流れを加速させてしまう危険があります。
「現実を正確に伝える」ことと、「必要以上に不安を煽る」ことは違います。
後者は社会全体を萎縮させ、希望を奪ってしまうのです。
HSPとして、情報の“取捨選択”を意識する
私はHSPとして、自分の心の平穏を守るために、ニュースとの付き合い方を工夫するようにしています。
- ニュース番組は一日一度、必要な分だけにする
- ネガティブなニュースを見た後は、自然や音楽、お笑いなどで気分をリセットする
- 心が温かくなる「良いニュース」を意識的に探す(動物番組など)
- 自分で選択できる情報を見る
- 信頼できる記事や一次情報、専門家の発信などを中心にチェックする
- 編集や煽りが少なく、客観性のある情報を意識的に選ぶ
こうした小さな工夫でも、日常の心の安定は大きく変わります。
「情報に支配される側」ではなく、「情報を選ぶ側」に立つこと。
それが、繊細な私たちが生きやすくなる第一歩だと思います。
メディアの責任、そして私たち一人ひとりの選択
メディアがネガティブ情報を多く扱うのは構造的な問題ですが、それに振り回されるかどうかは、私たち自身の選択でもあります。
もし多くの人が「ポジティブなものを選ぶ」姿勢を持てば、メディアのあり方も変わっていくはずです。
たとえば、優しいニュースサイトや、地域の小さな善意を伝える番組を応援する。
それだけでも、社会全体の空気は少しずつ明るくなっていきます。
HSPの繊細さは、決して弱さではありません。
社会の“空気の変化”を早く感じ取る感性こそ、これからの時代に必要とされる力です。
その感性を守るためにも、私たちは「何を見るか」「何を感じたいか」を意識的に選んでいきたいと思います。
まとめ 〜心を守る情報の選び方〜
ニュースを見て心が沈むのは、あなたが優しいから。
人の痛みを自分のことのように感じられる繊細な感受性を持っているからです。
それはHSPの大切な特性であり、否定すべきものではありません。
ただし、その優しさを守るためには「何を取り入れるか」を選ぶことが必要です。
情報のすべてを受け取るのではなく、心が安らぐものを選び取る。
それが、HSPとして生きやすくなる知恵だと思います。
