HSPで悩むあなたへ──40代でようやく気づいた「自分らしく生きる」ためのヒント
気づけなかった自分を責め続けた日々
私は40代になるまで、自分がHSP(非常に敏感な人)であることに気づけませんでした。そのために、長い間、自分を責め続けてきました。
仕事を転々としても「根気がない自分が悪い」と感じ、人間関係がうまくいかないときも「自分の性格が悪いせいだ」と苦しみました。どうして他の人のようにできないのか──その理由が分からないまま、自分を否定し続けた結果、自己肯定感はどんどん下がっていきました。
しかし今振り返ると、それは「性格の問題」ではなく、「気質の違い」だったのです。HSPという特性を理解していれば、もっと早く楽になれたのだと思います。
HSPに気づくことが「生きやすさ」への第一歩
HSPは、周囲の人や環境から強い影響を受けやすい特性を持っています。
光や音、人の感情、空気の変化など、他の人よりも多くを感じ取ってしまうため、知らず知らずのうちに疲れてしまうのです。
自分がHSPであると知ることは、弱点を見つけることではなく、「自分を正しく理解すること」です。それができれば、苦しさの原因を環境や人との相性に見出せるようになり、自分を責めることが少なくなります。
私が実践している「心を守る習慣」
HSPの私が日々の生活で実践している、小さな工夫を紹介します。
1. 情報を絞る
SNSのスマホ通知は、仕事関連以外は表示していません。
余計な情報に振り回されることが減り、心がとても穏やかになりました。
2. 感情の整理を言葉にする
モヤモヤしたときは、ノートに「何が気になっているのか」を書き出します。
書くことで、感情が整理され、頭の中が静かになります。
3. 朝の光を浴びる
起床後、すぐにカーテンを開けて朝日を浴びるようにしています。
体内時計が整い、気持ちの切り替えがしやすくなりました。
「周囲に合わせる」より「自分に合わせる」生き方へ
HSPの人は、他者の期待や感情を感じ取りすぎて、自分を後回しにしてしまいがちです。
けれども、「自分を大切にする」ことはわがままではありません。それは、自分の感受性を守るために必要なことです。
人に合わせすぎて疲れるよりも、自分のペースを尊重するほうが、結果的に良い関係を築けることもあります。自分に合ったペースで生きることを、どうか恐れないでください。
私の場合、「自分に合わせる」をいざ実践しようとすると難しいと感じます。
頭では分かっていても、他人の反応や空気がどうしても気になってしまうのです。
だからこそ、私は「自分を大切にできる環境」を意識的に選ぶようにしています。人間関係が重視されるような仕事や趣味よりも、孤独に集中できる仕事や趣味を重視して選び、自分のペースで進める時間を大切にしています。
こうして、自分でコントロールできる環境を整えることで、ようやく“自分に合わせた生き方”が少しずつ実現できるようになりました。
孤独な時間が教えてくれたこと
一人でじっくり考えることができる孤独な時間は、以前から好きでした。
かつては「人付き合いが苦手だから仕方なく一人でいる」と思っていましたが、今では「自分を整えるための大切な時間」だと感じています。
孤独は、HSPにとってエネルギーを回復させる時間でもあります。
静けさの中で、自分の心の声を聴き、自分らしさを取り戻す──それは、決して逃げではなく、再生のプロセスです。
終わりに
HSPとしての自分に気づくのが遅かったとしても、それは「気づけた」という大きな一歩です。
過去の苦しみも、気づいた今だからこそ意味を持ちます。
私の経験が、誰かの生きづらさを少しでも軽くし、「自分を責めないで生きる」きっかけになれば嬉しく思います。
