気を遣いすぎて仕事が増えるHSPへ――「NO」を言えるようになる小さなステップ
はじめに:気づけば自分ばかり忙しい
HSPの私は、職場でいつの間にか「頼みやすい人」になっていました。
誰かが困っていると放っておけず、つい「私がやります」と言ってしまう。
その結果、気づけば自分の仕事がどんどん増えて、心も身体も限界に近づいていました。
「自分が我慢すればうまくいく」と思っていたけれど、本当はそれが、自分を苦しめる一番の原因でした。
私の選択:気を遣いすぎない働き方
この経験から、私は最終的に「一人で働く」道を選びました。
今は、農業・宅配・ブログ運営という自営業スタイル。
もちろん孤独を感じることもありますが、他人の機嫌や空気を読み続けるストレスがなくなり、初めて“自分のリズム”で働けるようになりました。
職場でできる現実的な対処法
自営業以外の働き方をしている人にも、できることはあります。
① 「少し待って」と言ってみる
頼まれごとをされたとき、すぐに「いいですよ」と答えず、一呼吸おいて「今の仕事を終えてからでも大丈夫ですか?」と返す。
それだけで、相手は「いくらでも頼める人ではない」と認識します。
② 「お願いされる=断ってはいけない」という思い込みを手放す
HSPは「相手をがっかりさせたくない」気持ちが強すぎます。
でも、断ることは相手を否定することではなく、自分を守る選択です。
③ 対等な言葉でやり取りする
HSPは、感謝されると「いえいえ、全然!」と謙遜してしまいがちです。
しかしそれは無意識のうちに、「あなたが上で、私は下」という関係を作ってしまうこともあります。
相手に「ありがとう」と言われたときは、「お役に立ててうれしいです」や「こちらこそ助かりました」と返す。
こうすることで、お互いを尊重する対等な関係を保ちながら、必要以上にへりくだらずに済みます。
心理的背景:HSPの「過剰な共感性」
HSPは他人の感情を敏感に感じ取るため、相手の不快や困り顔にすぐ反応してしまいます。
それは優しさでもあり、同時に「他人の感情を背負うクセ」でもあります。
気づかぬうちに、自分の境界線を越えてまで他人を支えてしまうのです。
まとめ:「NO」は拒絶ではなく、誠実さの表現
「NO」と言うことは、わがままでも冷たいことでもありません。
むしろ、無理をして続かなくなるより、できる範囲で誠実に関わる方が、長く良い関係を保てます。
気を遣いすぎる自分に気づけた時点で、もう第一歩は踏み出しています。
「少しずつNOを言えるようになる」――それだけで十分です。
